20数年生きて初めてジャニーズにハマった話

たとえサーヴァントがおらずとも、令呪が手に宿らずとも、「その日、少年は運命に出会う」ことはあるんだと思う。いや私は女ですが。

 

中1のときに隣の席だった、将来親友になる女がD.Gray-manを手渡してきた瞬間から二次元オタクとして生きてきた。毎週月曜は必ずスーパーでジャンプを立ち読みしていたし、忍足侑士くんと結婚するのだと本気で信じ込んでいた。あの頃お小遣いをためて買った氷帝ジャージが今も自室の隅に眠っている。

「痛いオタク」のテンプレートのような女だったので、高1のときにはビジュアル系にも手を染めた。なんなら大学3年生まで引きずるし、鳴かず飛ばずのバンドのベーシストにドハマリして人生を棒に振りかけた。

 

今から私は罪を告白しますが、当時21歳だった私は当時の本命(ビジュアル系界隈では好きな人のことを本命と呼びます)に多分ガチ恋をしていて、関西に住んでいるにも関わらず出番35分の対バンイベントのために週2回レベルで東京に通っていた。お金も時間も限界だった。居酒屋でバイトをしながら片道1時間半かけて大阪の大学に通っていたのだが、あまりにお金がなかったので大阪の繁華街でキャバクラやガールズバーで働いた。その上部活までしていたので、

・20時まで部活

・22時から5時までバイト

・6時頃帰宅 夕方まで寝る

・夜行バスに乗り東京に行く

・ライブを見て夜行バスに乗る

・6時頃帰宅 夕方まで寝る

上記をひたすら繰り返す地獄の日々を送っていた。本当に馬鹿だった。当然授業には行けないし単位は落としたし、夜行バスに乗る度、外の景色も塞がれた真っ暗な車内で「私は何をしているんだろう」と泣いた。とあるツアーを全通した時、本命に「よく頑張ったね」と言われたことがすごく引っかかって、それでも本命に会いに行くのはやめられなかった。

私の「好き」はもうボロボロだった。念の為に言っておくと、本命はまじで悪くない。ただ、私が自分の身の丈を理解できていなかっただけ。まるで義務のようにライブにいき、行けなかったライブでの本命の話を聞けば悔しさのあまりにまた泣いた。気づけば、「好き」でいるために私は自分の人生を全て消費してしまっていた。結局私は留年して親を泣かせて、第一志望だった企業から出ていた内定も消えた。そしたらそのタイミングで本命のバンドは解散した。私の「好き」はあっけなく死んだ。

 

私は、自分で自分の感情をコントロールできない人間なんだとそのときはっきり認識した。「好き」という気持ちは、いつか私を殺してしまう。バンドが解散した後、私は二次元のオタクに出戻り(オタクであることはやめられなかった)、ソシャゲに課金をしたり相変わらずまあまあな散財をしながら、それでもバンギャルをしていたときよりはずっと穏やかに日々を過ごしていたと思う。「二度と三次元の男には絶対ハマらない」と固く固く心に誓っていた。手が届くものに、私は手を伸ばしてしまう。私はそれが崩壊を生むと分かっていても、バベルの塔を築かずにはいられないタイプの、馬鹿な女なのだ。

 

 

さて、二次元のオタクとして第二の人生を歩み始めてから数年、ツイッター上で仲の良いフォロワーたちにも恵まれた。その中でも二次元ジャンルで繋がっていたはずなのに「実は関ジャニ∞のファン」という人が何故か一定数いた。というか、これは薄々気付いていたのだけれど、世の中にはマジでジャニオタが多い。よくよく考えれば私が今まで所属していたコミュニティには必ず何人かジャニオタがいるのだ。

ぶっちゃけて言えば、私はジャニーズ事務所という文化があまり好きではなかった。ジャニオタでもなんでもない私にはジャニーズの文化がすごく閉鎖的に見えていたし、他のタレントたちを押しのけて(いるように私には見えた)舞台や歌番組に出ている姿に、正直なところ辟易していた。これは私がビジュアル系という超マイナーコンテンツを好んでいたことが影響しているのかもしれない。私の大好きだった本命は、どんなに最高の演奏をしても歌番組なんてとても出れないので。

そんなことを言っていながら、私は基本的にミーハーなので、フォロワーが「これがめっちゃいいんです~!」と騒いでいたら「へえ、どれどれ」とすぐに覗きに行った。ヨッ、大将やってる?の居酒屋の暖簾より私のフットワークは軽い。なので、フォロワーが「snowmanの生配信見てください!!!!」とリプライしてきたときも「へえ、どれどれ」と言いながらYouTubeを見に行った。

 

そもそも私の知っているジャニーズというのは「ネットに一切露出しない」コンテンツだったので、ジャニーズJr.の専用チャンネルが存在するというのが衝撃だった。いつからそんなに間口が広がっていたんだ。

とりあえず覗きに行った生配信では白い男の子たちと黒い男の子たちが椅子に座ってずっと喋っていた。阿部ちゃんの顔が可愛いなと思った記憶がある。フォロワーにあべさくの話を聞いた記憶もある。しかし、顔も名前も一致しないアイドルの座談会を見ていても、いまいちピンと来なかった。「やっぱアイドルは歌って踊ってこそッショ」と思い、私は生配信の視聴を切り上げてJr.チャンネルのパフォーマンス再生リストをクリックした。

 

そこで見つけたのだ。

 

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Travis Japanを。

 

 

それこそ名前も顔も知らなかった。Travis Japanというユニット名すら知らなかったのだ。ていうか、ジャニーズJr.の定義もよく分かっていなかった。ジャニーズなんて顔がいいだけで歌も踊りも大したことない、と私はその時まで本気で思っていた。

衝撃だった。こんなにキラキラの汗を弾けさせながら、世界で一番楽しそうにパフォーマンスをする子たちがいるなんて、知らなかったのだ。

その時私が見たのは2018-2019のカウコン映像で、とにかく七五三掛くん(後々名前を知って「なんて読むんだよ」と叫んだ)の顔が好みであることと、元太くん(後々名前を知って「なんて素朴な…」と呟いた)のジャケットプレイがいかにセクシーかということをツイッターで声高に語っていた。Lock Lockの元太くんは本当に色気ダダ漏れヤバいギャップ萌え~ですごいと思う。

 

まあ我ながらビビるくらいに、突然全く手つかずだったジャニーズコンテンツに転がり落ちた。とはいうものの、「まあ別に誰が特別好きとかではないし、お金も特に使うつもりもないし、この子たちがデビューするまでのんびり応援したいな」くらいの気持ちでいた。気持ちでいるつもりだった。歌とダンスが上手な彼らのパフォーマンス動画をYouTubeで見ているだけで満足だと思っていた。もう誰かを好きになって、そのために自分をボロボロにしたくなかった。私は私だけを大切にするんだ、と息巻いていた。

いたはずだったのに、気付けば宮近海斗から目が逸らせなくなっていた。

 

多分、一番最初に「宮近くんが好きだ」と思ったのは、Happy Groovyを見たときだったと思う。「足取り軽やかに」と伸びやかに歌う宮近くんに、「夢でも会おう」とシニカルに笑う宮近くんに、最後私達の方を力強く指差す宮近くんに、恐ろしいぐらいに惹かれてしまっていた。私は燃えている人が好きだ。魂を削って人生を燃やす人が好きだ。誰よりも強く、熱い人が好きだ。宮近くんは、燃える人だった。

ふにゃふにゃと笑うお顔が可愛い。所在なさげにうろうろする手の動きが可愛い。楽しいときに全身で楽しさを爆発させる姿が可愛い。なのにステージにたてば彼は王様だった。「リーダーよりも、強いセンターでいたい」という彼のプライドが、本当にかっこいいと思った。極めつけはROTで涙をこぼす宮近くんを見たときで、私はそのときもまだ「いや言うて推しとか担当とかファンとかじゃないですしおすし」と往生際悪く言っていたのだが、「こんなのあまり好きじゃないんですけど」と言いながら静かに泣いた宮近くんを見て、朝から布団の中で大号泣した。完全にファンである。長すぎる睫毛に引っかかって頬までこぼれない涙の雫に「どんなダイヤモンドにも勝るきらめき」と呟いた私は、完全に気持ち悪い方のファンだった。

 

私は、私の「好き」をコントロールできない。でも宮近くんは「息抜きのように好きでいて」と言ってくれた。その言葉に、驚くくらい救われてしまった自分がいた。

本当は駄目なのかもしれない。宮近くんが望む夢のためには、私はもっといろんなことを頑張らなきゃいけないのかもしれない。でも、私は本当に申し訳ないのだけれど、宮近海斗に「救われたい」と思ってしまった。「楽しいだけの気持ちでいて」という宮近くんに「わかったよ」と頷いてしまった。私はもう、幸せにしかなりたくない。そして、少しでも長く、出来れば死ぬまで、宮近くんのことを好きでいたいと思う。

宮近海斗くんを好きな、自分のことを大切にしたいと思っている。アイドルに願うことって、結局そういうことなんじゃないかなぁと私は勝手に納得している。宮近くんごめん。

 

まあ何だかんだ言って、仕組みもよくわからないままにジュニア大賞にお金をかけたり、毎週再生リストを作ってYouTube動画を回したりしているのだけれど、全くそれが苦じゃないのがすごいなと思う。宮近くんとTravis Japanを応援することが今人生で一番楽しい。「好き」でいることがこんなにも楽しい。

だから、もっと色んな人にTravis Japanを見つけてほしいなと願っています。だって、本当にジャニーズに興味がなかった二次元オタク兼バンギャルが、今こんなにもTravis Japanのことが好きだから。彼らの魅力は「本物」だと、ド新規ながらに強く思っています。

 

私はTravis Japanを見つけたよ。世界はいつまで寝てるつもりなの?

 

皆集まってHappy Groovyしたら世界一幸せになって体の免疫力が高まり、新型コロナウイルスに負けなくなるので、最後に大好きな動画を貼っておきます。

 

youtu.be

 

 

ジャニオタを名乗るのはまだ抵抗があるけれど、私の担当は世界で一番最高な宮近海斗くんです。

とりあえず同担として負けたくないので宅建資格をとることにしました。